近年、干し芋に含まれる栄養素に注目が集まり、健康のために食生活へ取り入れて食べるという方が増えてきました。
その昔は冬の風物詩といった印象で、おやつとして食べていた干し芋。
産地の茨城県では、冬になると田舎の親戚から頂いたり、祖父母の家に遊びに行くと出てくるイメージが強く、よくストーブなどで炙って食べていたものです。
ここ最近の健康ブームによって干し芋が新しい形で脚光を浴びるのは、地元民にとってもうれしいことです。
そこで今回は、健康によいと言われる干し芋の栄養について解説いたします。
ぜひ干し芋の栄養成分の知識を深めて、うまく食生活に取り入れてみてください。
この記事の目次
干し芋は健康おやつ? その理由は?
干し芋はさつまいもの収穫後に寝かせてから蒸かし、スライスしたさつまいもを乾燥させることで完成する食品です。
つまり、干し芋の原材料はさつまいものみ。
食物繊維、ビタミンE、ビタミンB₁、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなど、栄養価はさつまいもと同じものが含まれています。
体に良い成分が含まれているだけではなく、さつまいもはGI値が低い食品でもあります。
GI値とは血糖値の上がり方を数値で表したもの。GI値が高いと血糖値が早く上がり、インスリンが多く分泌されて体に糖を溜めようとします。そうして溜め込まれた糖は脂肪となっていきます。
つまり、血糖値を急激に上げないことは、食べても太りにくいポイントに。
近年、干し芋はすっかり低GI値の食品としても注目を浴び、知られるようになりました。
また干し芋は食物繊維が豊富で、便通改善に良いとも言われています。
腹持ちも良いので、ダイエットの置き換え食としてもおすすめです。
糖質もあるので、運動前のエネルギー補給にさっと食べるのにも最適な食品です。
しかしながら、干し芋にはしっかりエネルギーとなる糖質も多いので、食べ過ぎは厳禁!
どの食品にも言えることですが、適度に食べていただくことをおすすめします。
次に干し芋に含まれる栄養素について、ひとつずつご紹介していきたいと思います。
健康によい干し芋の栄養素①:ビタミン
干し芋にはビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンは体内の代謝に関わり、なくてはならない大切な栄養分です。
特に干し芋にはビタミンEとビタミンB₁が含まれているので、それぞれについてその効能を見ていきましょう。
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化作用を持つビタミンの一種。
お肌や血管、細胞などの老化を防ぐ効果を発揮してくれるので、若返りのビタミンとも呼ばれています。
ビタミンB₁
干し芋100gにつき、ビタミンB₁は0.15mgと商品の栄養成分表にも表記されています。
ビタミンB₁は体内で糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに重要な役割を果たしてくれるもの。不足していると糖質を摂っていてもうまくエネルギーに変えられず、エネルギー不足になって体に疲労やだるさを感じてしまう可能性があります。
また皮膚や粘膜を健康に保つサポートをしてくれる働きもあるので、美容や健康のためにもきちんともきちんと摂取すべき栄養素です。
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健康によい干し芋の栄養素②:カリウム
カリウムは人が生きていくうえで体に不可欠なミネラルの一種で、細胞の浸透圧を正常に保つ働きがあります。
体内のナトリウムを排出する作用があり、むくみの対策にも。塩分の摂り過ぎを調整する上でも大切な栄養素です。カリウムが不足していると脱力感や食欲不振になる恐れもあるので、気を付けましょう。
日本人の食事摂取基準が18歳以上男性では1日2,500㎎、女性では2,000㎎なのに対し、干し芋は100gに840mgものカリウムが含まれています。
健康によい干し芋の栄養素③:食物繊維
さつまいもは数多い野菜のなかでも、食物繊維が多い食品です。
食物繊維は消化・吸収されずに小腸をとおり、大腸までたどり着く成分なので、便のかさをふやしながらさらに腸内の環境を改善する腸内細菌を増やし、お通じをスムーズにする効果があります。
日本人の食物繊維の食事摂取基準は18歳以上の男性で21g以上、女性で18g以上です。
干し芋には100gあたり6.1gの食物繊維が含まれているので、つまり一日に必要な食物繊維の3分の1ほどの量を摂取できることになります。
美容や健康のために、干し芋は便秘予防としておすすめの食品といえるでしょう。
健康によい干し芋の栄養素④:鉄分
鉄分も人間にとって大切なミネラル成分の一つです。
体内の鉄分は血液中の赤血球の成分となり、体中に酸素を運搬する重要な役割を担っています。
鉄分不足は世界中でも深刻で、日本人も不足しているといわれています。
特に月経のある女性は鉄分が不足しがちで、貧血に陥ることも。
鉄分が不足していると体に十分な酸素が運ぶことができず、倦怠感やめまい、頭痛などの症状が現れてきます。
体調不良を防ぐためにも、鉄分はきちんと摂取すべき大切な成分といえるでしょう。
ちなみに日本人の食事摂取基準は18歳以上の男性で7.5㎎、75歳以上の男性で7.0㎎。18歳以上の女性では(月経なしの場合)6.5㎎、65歳以上の女性で6.0㎎です。
干し芋には100gにつき、0.83gの鉄分が含まれています。貧血予防のおやつとして気軽に鉄分を摂取できる食品です。
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